理数男子のつぶやき

まだまだ頑張る社会人1年目のブログ。

「教員の働き方改革」について考えたこと[#1]

近年の社会問題の一つである「教員の労働時間問題」。

その問題に対応するべく中央教育審議会(以下、中教審と表記。)は、今年の1月に「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」という答申を出した。

www.mext.go.jp今回はそれを読んでみたので要約してみるとともに、自分の意見を交えて考えてみようかと思う。

今回は第1章の要約。

 

 

1章 学校における働き方改革の目的(pp3~6)

 ・私たちの国の学校教育は、150年に及ぶ教科教育等に関する環境に支えられた高い意欲や能力を持った教師によって支えられている。

Comment:

学校教育は「政府のおかげ」で成功しているという話をたまに聞くが、普通に考えれば個々の教師が情熱をもって生徒と向かい合って教育しているからこそ成功している…と思う。

 

・公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律(以下、義務標準法)*1などの制度は、教育機会の均等や教育水準の維持・向上の基盤として機能している。

Comment:

「生徒に関する」法整備であり、教員に関する法整備は言及がないなぁ…

 

・その結果、我が国の義務教育は高い成果を上げている。例えば、PISA調査においては、数学的・科学的リテラシーの両分野においてOECD加盟国中1位をとっているなど、我が国の15歳段階の子供たちは世界トップ水準の学習成果を示している。

Comment:

OECDの加盟国を調べてみた。

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OECDの加盟国一覧

これを見る限り、私たちが普通に思い浮かべられるような国が多くある。

また、教育効果が高い国といわれる北欧の国も多くあることから1位における価値は高いと考えられる。ロシアがないことはちょっと事情が気になるが

 

・また、文部科学省が小・中学校において毎年実施している全国学力・学習状況調査(以下、全国学力調査)成績下位の平均回答率は上昇していることなど、都道府県単位の成績の格差が縮小するなどの「底上げ」は確実に進んでいる。

本当に格差が是正されているか調べてみた結果が以下の表である。

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国学習調査の結果

このように、差だけを比較すれば倍近く格差が是正されていることになっている。

 

・他方では、AIなどの先端技術が高度化してあらゆる産業や社会生活に取り入られ、社会の在り方そのものが現在とは「非連続的」といえるほど劇的に変わるとされる[Society 5.0]の到来が予想されている。そうした「知識集約社会」において「今の学校教育は役に立たないのではないか」という不安も生じさせている

Comment: 

 AIなどの先端技術に対して、知識詰込み型教育のみの教育では、この先の社会を生きるものとして「役に立たない」と言わざるを得ないと感じている。

 そして、[Societly 5.0]の考え方では、ビッグデータを利用して人間とAIが共存する未来が想定される。それを踏まえると、一つの能力として「データを収集・活用する能力」というものが考えられるなど、人間はこの先どうしていくべきかを考えたうえでの教育が大切になってくるであろう。

 

・今回の新しい学習指導要領を踏まえ、一人一人の教師には、我が国の教科教育等の蓄積と向き合い、子供たちには日々の学びが持っている大きな意味を子供たちに伝え、学びの充実を図ることが求められている。

Comment:

特になし。

・このように学校教育は大きな蓄積と高い成果を上げているが、いま持続可能かどうかの岐路に立っている。これを持続可能なものとし、新しい学習指導要領を円滑に実施するためには、2つの課題を乗り越える必要がある。

 1つめは、教員の働き方の実態を改革することである。現在の日本の教育が、教員勤務実態調査*2に示されている教師の長時間にわたる献身的な取り組みの結果によるものであるならば、持続可能であるとは言えない。

 2つめは、「チームとしての学校」の機能強化を図ることである。社会のあり方が変容したり、各種の情報機器が子供たちの間で広く使われるようになったことから、人間関係のありようが変化している。そして、我が国の子供の貧困の状況が先進国の中でも厳しいということから、学校はそのような変化に対する対応が求められている。このような中、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといったスタッフを含めた「チームとしての学校」の機能強化が求められている。

 Comment:

今の学校教育では、とても持続可能なものではないと述べたうえで、2つの点に触れている。

1つめは、教員の働き方を変えること。ちょっと気になったのは「現在の日本の教育が教師の長時間にわたる献身的な取り組みの結果ならば~」という点。

本当か…?

教員の多忙化の原因は長時間に及ぶ献身的な取り組みと示しているが、

それ以外にも学校の分掌や、文科省教育委員会における調査などで時間を食われているという話を小耳にはさんだ。

よって、ちょっとずれてるのか…?とはなった。

2つめは、「チームとしての学校」づくり。要するに教員の「分業化」が進められている。

よく考えてみれば、教員は教科指導から生徒の生活指導までをすべて1~2人でやってきたわけであって、今考えればすごい人だと思うが、教員の立場からすればものすごく重労働だよなぁ…

 

今回は以上。

2章~はまた気が向いたら。